廃墟で。
壁を前にしながら私は想う。
遠い昔、私は無邪気でした。
ひとはみんな平等だと思ってました。
でも、そんなことはないのです。
圧倒的にこの世界は不平等です。
鈍色の剥落した壁は私の壊れた人生を象っているかのようです。
壁にもたれて錆び付いた臭いを嗅ぎながら、私は自分が転落したことを想うのです。
人は平等であるべきではないのかと。
そういう考えに浸ったら、感じるのは矛盾だけ。
矛盾なんて本当はないのです。世の中は不平等だというそれだけ。みんなが平等だという幻想を信じると矛盾を感じるだけ。
矛盾とは信じている前提との齟齬。
ありえないことを信じると矛盾と欺瞞を感じやすい性格になる。
この世界の実状に合わせて軽やかに生きていけば、何の矛盾も欺瞞もないのです。
でも私は、落剥した幻想に縋り、人は平等であるべきだと想ってしまうかもしれない。
そういう世界との決定的な決裂を矛盾として感じるかもしれない。
問題は私の心なのに。
幼稚園の頃にピュアなことを大人に言われるとして、、、そんなものはウソなのだから。
足りないものは補充されない。
それを不当だと思ったら、恨みは増大するだけです。
私の部屋にマシンガンはありません。
仮に手元にあったら?
フルオート射撃で壁の錆を落とします。
それと一緒に私も崩れ落ちればいい。私だけが綺麗に消える方法を探してます。